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ゲームをプレイしての感想
 

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3  メタルギアソリッド3 スネーク・イーター
更新日時:
2006.11.22 Wed.

 
「常に時代は移り変わる。昨日の正義は今日の悪  かもしれない。」 : ザ・ボス
 
 
近未来を舞台にしたMGS・MGS2に続いて、あえて冷戦時代を描いたMGS3。
本作は、今まで謎に包まれていた伝説の傭兵「BIGBOSS」が、まだ「ネイキッド・スネーク」と呼ばれていたころの物語。
彼がいかにして「BIGBOSS」となったのかまでを描く。
 
最初に内容を知った時は、MGS2の後のストーリーを期待していただけにがっかりしたのを覚えている。
当時、私が期待していたのは2の続編だった。
エンディングで謎を多く残していただけに、ソリッドの動向が気になって仕方なかった。
だが今は、結果的にMGS3をやって良かったと思っている。
この作品は、あらゆる意味でMGSの世界観を広げた作品だ。
 
まず、MGS3で気に入った点を説明していきたいと思う。
1964年を舞台としながらも、MGSの要素をしっかり取り込んでいるところに好感を持てた。
ダンボールにステルス迷彩、カムフラージュもなかなか面白い。
その他、新要素として取り入れられたCQC(クロス・クウォーター・コンバット:近接格闘術)はとてもよく出来ていた。
従来は頸絞めやホールドアップなど、アクションが少なく、ワンパターンになりがちだっただけに嬉しい新要素だ。
ボタンを押すタイミングなどで動きも多彩に変わり、戦略性が一気に増した。
 
本編をプレイし始めて、最初にHALO降下(高高度降下低高度開傘)を見たときは身震いするほど感動した。
MGS至上最もスリルある潜入シーンだと思う。
特に、このシーンは台詞・BGM・カメラワークとが同調していてうまくまとまっている。
 
今回のボスは、蜂を操るペイン、ボーガンの使い手フィアー、伝説の狙撃手ジ・エンド、怒れる宇宙飛行士フューリー、霊能戦士ソロー。
そして、ザ・ボスというように、いつもより増して濃い面子が揃っている。
また、シャゴホッドに追われながらのバイクチェイスも画期的だった。
 
また、緑の生い茂るジャングルを再現したステージは、PS2のスペックを限界まで引き出していると思う。
 
MGS1・2で暗躍していたオセロットの若き日の姿や、オタコンの父(?)にREXの設計図を送ったグラーニン。
「愛国者達」の母体となった組織、「賢者達」など、シリーズへの複線がいくつも張り巡らされているところもMGS3の魅力だといえる。
 
中でも最も評価したいのは、ネイキッドとザ・ボスを主軸にしたストーリーだ。
師弟関係とも恋愛関係ともいえる彼らが、仲間でありながらも殺し合わなくてはならない。
時代は残酷だ。
最期まで合衆国に忠を尽くし、そして弟子の手で散っていったザ・ボスは正しく「愛国者」だったといえる。
このクライマックスは本当に涙を誘うもので、戦争とは何なのかを深く考えさせられる大切なシーンだ。
 
「THE・BOSS」を越え「BIGBOSS」となったネイキッドは、彼女の遺志を継ぎながらも、傭兵達が自分の意思で自由に生きる事のできる世界を創造する。
それが後の「アウター・へヴン」なのだろうか?
彼のその後の物語は、ポータブルOPSで描かれる事になる。
 
 
「MGS3」のテーマは「SCENE(シーン):時代」
 
 
「シーン(時代)」によって、あらゆる物の価値観は変化する。
それは「敵(東側)」と「味方(西側)」にも同じ事が言える。
特殊部隊の母と呼ばれたザ・ボス。
ネイキッドが一人前になるのを見届けた後、彼女は姿を消した。
そして再会した時、彼女は敵になっていた。
ザ・ボスはスネークを愛していた。
人として、母として、そして女として。
だが、そんな愛弟子に彼女は銃口を向けねばならなかった。
・・・それが「任務」だから。
「時代(シーン)」は二人の想いを無情に引き裂く。
「MGS3」はそんな「シーン(時代)」を生き抜いた者達の物語だ。


ANUBIS これがスナッチャーの正体だ!


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