METAL
GEAR
CHRONICLE


1964年から始まったスネーク(蛇)とメタルギア(核)を巡る歴史。
そのシリーズの集大成となるのがメタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」である。
ここでは「メタルギア」シリーズを振り返り、この作品を様々な観点で考えたいと思う。

| Back | Index | Next |

1  第弐回「歴代メタルギア開発記」
更新日時:
2007.02.11 Sun.

この項では、劇中に登場する核搭載二足歩行戦車「メタルギア」について検証する。
開発順にそって各機体の解説を行うものとする。
 
 
 
 
 
「メタルギア」とは・・・
  
 核搭載二足歩行戦車の総称。
弾道ミサイルなどを防ぐための早期警戒システムから逃れ、あらゆる場所から核弾頭を射出できる兵器。
 アレクサンドル・レオノヴィッチ・グラーニンの提唱する「兵器は時代を動かす歯車である」という考えの元、秘密設計局OKB-812で開発が進められ、後に「METAL GEAR(金属の歯車)」と呼称されるようになる。
しかし、ニコライ・ステファノヴィッチ・ソコロフ設計による、核搭載型戦車「シャゴホッド」に開発競争で破れ、計画は頓挫する。
  その後、「メタルギア」のデータは引き継がれ、様々な機種が何世代にも渡って開発される事になる。
 
 
 
 
 
 
1)シャゴホッド<メタルギアソリッド3 スネークイーター>
        
ニコライ・ステファノヴィッチ・ソコロフが設計開発を行った核搭載型戦車であり、メタルギアと直接の繋がりはない。
「シャゴホッド」とはロシア語で「一歩一歩踏みしめるもの」の意味を持つ。
コクピットとドリルで構成される前部と、推進ユニットを搭載した後部とを連結した構造を持ち、そのシルエットは戦車に近い。
ヴォストークロケットエンジンで時速300マイル(500km)まで加速、そこからIRBMを直接発射する事が出来る。
そのためソ連からアメリカ本土へIRBMを到達させることが出来、西側にとって脅威となった。
        
・乗員2名、全高8.2m、全幅6.4m、全長22.8m、平均時速80km、最大後続距離650km
・DShK38-12.7mm重機関銃2門、同対空機関銃1門、9K112ランチャー6門、大型100銃身機関銃1門、IRBM発射管1門
 
 
 
 
 
2)メタルギアRAXA:<メタルギアソリッド ポータブルOPS>
 
ソコロフによって、大陸間弾道メタルギアと同時に性能試験用モデルとして開発された機体。
「羅紗」とは、軍服に用いられた毛織物の一種を指すが、名前の由来かは不明。
試験機だけでなく弾頭搭載型を指す事もある。
コクピットやセンサーで構成された中心部と1対の翼を持ち、ロケットの推力により飛行する。
また、ロケットを用いない場合は、1対の翼で這うように移動する。
元ロケット開発者ソコロフが設計を行なったため、ロケット推進技術による移動方法をとる。
そのため厳密には二足歩行戦車ではない。
大陸間弾道メタルギアの中核であるともいえる。
            
・乗員1名、全幅25.5m、全長10.9m、最高速度0.5km
・M134ガトリング式機関銃1門、9M14Sミサイル8門
 
 
 
 
 
3)大陸間弾道メタルギア:<メタルギアソリッド ポータブルOPS>
 
正式名称は不明。
本体であるRAXAを弾頭に見立て、これにロケットブースターを付加したICBM。
大気圏外まで打ち上げ後、切り離されて再突入。
高度900メートルからRAXA部を離脱、パラシュート降下させ、搭載した小型核弾頭を多数発射する事が出来る。
ジーンがソ連製核ミサイルを搭載させ、ソ連との交渉に使う際に強奪した。
 
 
 
 
 
4)メタルギア TX−55:<メタルギア>
 
ソ連の科学者、ペトロヴィッチ・マッドナー博士によって開発された。
グラーニンによる「二足歩行戦車」というコンセプトは、本機によって初めて達成されたといえる。
地形に左右される事なく、単独での局地戦を遂行可能。
さらに、地球上のあらゆる場所から全世界への核攻撃が可能な兵器であった。
このため、核抑止均衡状態は無力化され、アウターヘブン蜂起でも使用されることとなった。
しかし、稼働前にソリッド・スネークにより破壊されている。
 
・乗員1名、全高 6.05m、全幅 2.75m、全長 3.25m
・1.5cmバルカン砲2門、20cmレーザー・バルカン1門、多弾頭中距離ミサイル2門
           
 
 
 
 
5)メタルギア改D:<メタルギア2 ソリッド・スネーク>
 
BIGBOSSの下でペトロヴィッチ・マッドナー博士が改良を加え開発した機体。
TX-55の正統な後継機。
初めて起動したメタルギアでもある。
TX-55よりも大型化され、3つの兵装に換装することができる。
7機開発され、そのうち1機はグレイ・フォックスの乗機となっていた。
TX-55と同様に脚部が脆く、ソリッドによりグレネードにて破壊されている。
本機では運用方法も具体的に考案され、メタルギア輸送専用大型ヘリコプターまで開発されていた。
汎用性や輸送手段まで確立していることから、本機は量産・集中運用も視野に入れて開発された物と思われる。
 
・乗員1名、全高 8.5m、全幅 5.76m、全長 7.9m、最高速度45km
・基本兵装:60mmバルカン1門、5.56mmマシンガン1門、スモーク・ディスチャージャー2門、
・追加兵装:連装ランチャー・ポッド6門、地対空ミサイル2門、75mmキャノン砲
           
 
 
          
 
6)メタルギアREX:<メタルギアソリッド>
 
1964年にグラーニンが設計したメタルギアのデータを元にハル・エメリッヒ博士が開発した機体。
これをベースにDARPAとアームズ・テック社が兵装を共同開発した。
右腕のレールガンにより核弾頭を高速射出する事が出来る。
このため、軍事衛星などのミサイル防衛システムに探知されずに目標を攻撃する事が可能。
さらに左腕のレドームによって周囲の情報を精確に察知する事が出来る。
密閉性も高く完璧な装甲を誇り、高い耐久性を持つ。
シャドーモセス島にて本機の演習が行われていたが、FOXHOUNDと次世代特殊部隊のクーデターにより奪取される。
余談だが、「REX」とは米国が旧日本軍の水上戦闘機「強風」につけたコードネームに由来する。
 
・乗員1名
・リニアレールガン1門、レーザーガン1門、スモーク・ディスチャージャー6門、核ミサイル発射口8門、機関砲2門
           
 
 
 
 
7)メタルギアRAY:<メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ>
 
世界中で開発されたメタルギアの亜種に対抗すべく、米海兵隊の下で極秘裏に開発された対メタルギア用メタルギア。
水陸両用機であるため、海中深く潜行し探知される事なく沿岸に上陸する事が可能。
アーセナルギアと連携し、統合戦術情報分配システムを用いた完璧な策敵能力を誇る。
表向きには「マンタレイ」。実際には旧日本軍の「零式艦上戦闘機」がコードネームの由来。           
駆動部分には人工筋肉が採用され、より生物に近い自然な歩行が可能。
プロトタイプは有人機であり、量産機に比べて尾が長く、センサーは2器ある。
強奪後はビッグ・シェル深部にて、アーセナルギア護衛用に25機量産され、いずれも無人機となっている。
           
・乗員1名(プロトタイプ)
・小型ミサイル6門、機関砲6門、ウォーターメス1門
 
 
 
 
 
8)アーセナルギア:<メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ>
 
ビッグシェルに偽装して開発された超大型メタルギア。
核弾頭を初めとした数千発に及ぶミサイルと、25機のRAYを搭載した要塞。
水上を滑空するようにして移動する。
戦術ネットを通じてアメリカの全兵力を掌握する事が可能。
また、情報統制を行なうための超大規模情報処理システム「G.W」を搭載している。
 
 
 
 
 
9)月光(未確認):<メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット>
 
全長5m以下の小型無人量産型メタルギア。
そのサイズからか、歩兵に混じって活動する事も多い。
REXに似た機械的な上半身と、RAYに似た生物的な下半身を持ち、セル・プロセッサによって演算処理を行なう。
また、本機の脚部は人工筋肉で出来ており、損傷を受けると赤いナノペーストが噴出する。
歩行速度は従来のメタルギアを凌駕しており、脚部を使っての格闘性能も極めて高い。
壁面などの非接地面でも移動できる上、跳躍力も高いので、極めて迅速に移動する事ができる。
高感度センサーを多数搭載し、対人策敵能力も高い。
目標殲滅後は尿状のマーキングを施し、見方機に状況を知らせる。
核兵器は一切搭載せず、機関砲やミサイルなどの通常兵器で武装している。
これらは任意に換装することが可能で、場所に応じて装備を変更できる。




HOME

メールはこちらまで。
inserted by FC2 system